75 長い敗戦後の真の終わり

2022年08月26日 16:19

新しいエポック

 日本の戦後はとっくに終わったと思っていましたが、実はまだ終わっていなかったみたいです。平成の「失われた30年」は、縮む日本という新しい時代の始まりだとばかり思っていましたが、どうやら違っていたようです。それは、明治以降の帝国主義日本の誕生と、無謀な侵略戦争に突入するという選択の末の無条件降伏。丸焼けになって全てを失い、しかし、気を取り直して、アメリカとの経済戦争に再び国民一丸となって燃え、一時はアメリカをうちまかす勢いをみせましたが、結局中曽根竹下プラザ合意と小泉竹中構造改革の「二つの核」によって再びアメリカに手痛い敗北を喫しました。経済戦争の戦後が「失われた30年」でした。2度も敗北した150有余年の長い一時代が終わるフェイドアウト期間が日本の平成=「失われた30年」。ひとつのエポックが終わるのですから、言い得て妙なネーミングだったと言えるでしょう。

 2022年7月の参議院選挙直前に、NHKの日曜討論で、各党の幹事長クラスが集まって討論した時、N党の幹事長は、司会者の制止を聞かずに歌を歌いました。その歌詞はこうです。「安倍のせいだ、安倍のせいだ、安倍のせいだ、日本がこんなになったのは。おじいさん(岸信介)はCIA、おじいさんはCIA、おじいさんはCIAのエージェント。」目から鱗が落ちました。参院選の直前、応援演説をしていた安倍晋三の暗殺後にハッシュタグがたった「自民党って統一教会だったんだね」というネット民の鋭い指摘には脱帽です。CIAに祖国日本を売ってA級戦犯の罪を免れ、巨額の富を長年に渡ってアメリカからもらっていた岸信介。経済戦争の敵のスパイが日本の総理大臣だったのですから何をか言わんやです。勝共連合=統一教会=自民党という侵略戦争敗北後の日本に敷かれた一本のレール。そこをひた走ってきた日本がついに経済戦争に敗れて、30年の長きに渡る停滞を余儀なくされたのはむしろ当然の帰結でしょう。

 長きにわたって自民党の一党独裁政治を支えてきた55年体制。社会党は村山富市の権勢欲を自民党に利用されて一足先に潰れ、自民党はその浅ましい勝共連合=統一教会=韓国カルトとの癒着を白日のもとにさらされ、臨終寸前です。国民国家による近代化は日本に限らず限界を迎えています。1%の人々の資産が99%の人々の資産を上回るという歪な強欲資本主義はもはや完全に時代遅れなコンテンツです。

 新しいエポックの足音が誰の耳にも聞こえるようになりました。

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