73 日本の進むべき道

2022年02月20日 14:41

AIと詰将棋

 2022年1月29日、王将戦第三局が栃木県のホテル花月で開催されました。王将の渡辺明名人三冠に挑戦するのは藤井聡太竜王四冠。1月30日第三局二日目の夕方、渡辺有利から互角へ、また渡辺有利へと評価値が揺れ動いていましたが、午後7時過ぎ、藤井竜王有利から優勢そして勝勢へと逆転し、そのまま31手詰めで藤井竜王が勝利しました。何と3連勝です。そして迎えた2月12日、13日の王将戦第四局でも藤井竜王は磐石な勝利を収め、ストレート勝ちで王将位を獲得しました。勝利後のインタビューで、史上最年少で史上4人目の五冠を獲得した今を、富士山登山に例えるならばどのくらいの高さにいると思うかと聞かれ、「まだ頂上が見えないので森林限界の手前ぐらいだと思う。」と答え、森林限界という言葉が、一時トレンド1位に入るぐらい国民を沸かせました。

 藤井竜王が小学生6年の時から詰将棋選手権で5連勝していることは有名です。さらに奨励会初段、二段の時、どうすればこれ以上強くなれるのかという閉塞感を感じ、奨励会三段15歳の時AIを取り入れた練習を始めたというのも有名な話です。19歳の藤井聡太竜王の強さの秘密が、純日本的な詰将棋を解く力とIT革命の最先端をいくAI活用のミックスにあるという事実はとても興味深いことです。日本の進む道も、ただただグローバル化していくことではなく、また世界に背を向けていよいよガラパゴス化することでもない、両者をブレンドしていい塩梅にミックスする道しかないのではないでしょうか。

記事一覧を見る

powered by crayon(クレヨン)