71 2021年10月31日衆議院総選挙

2021年10月20日 21:14

日本国民の意思

 政権を投げ出した安倍晋三の後を受けて安倍の官房長官として辣腕を振るった菅義偉が第99代の総理大臣に就任しました。本人は得意の絶頂だったのでしょうが、国民は菅のあまりの無能ぶりに唖然とするばかり。日本語もろくに喋れない。台本、プロンプターもろくに読めない。気の毒すぎて目もあてられません。できることといえば安倍の指南を受けた、各界の名士を呼んで朝昼晩と贅を尽くした食事を奢り、ズブズブの関係を構築しようとする飲食作戦。政権を投げ出した卑怯な安倍晋三に代わって、火中の栗を俺なら拾ってみせると軽く考えていたのでしょうが、コロナ対策は後手後手の的外れなものばかりで、デルタ株の蔓延に打つ手なしの体たらく。所詮主人に忠実な番頭の器でしかないということを満天下に曝け出しました。結局衆議院総選挙が近づくにつれ、この顔では選挙を戦えないという若手の突き上げなどがあり、あっという間に自民党内のパワーバランスが崩れ、あっけなく退陣となりました。2020年9月16日から2021年10月4日までの384日という短期政権でした。

 その後、マスメディアが自民党の総裁選一色に染まってしまう大騒ぎ。いつもの通り各派閥の駆け引きの末、岸田文雄自民党新総裁が誕生し、第100代総理大臣に就任しました。最初は国民の所得を倍にするとか目新しいことを言っていましたが、結局は新味のないアベノミクス追随で、安倍晋三のスキャンダルや地元広島における河井克行、案里夫妻の参院選買収事件の原資1億5000万円の出どころも追求しないという腰砕けぶり。ご祝儀支持率上昇もなく冷めた雰囲気のまま、10月31日投票日という異例の短期決戦に打って出ました。ボロが出ないうちにと急いだ衆議院総選挙結果はどのようなものになるのでしょう。日本国民の意思は選挙結果にどのように現れるのか興味深いところです。
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 さて本日はいよいよ31日。総選挙の日を迎えました。将棋の最高峰竜王戦の第三局が昨日今日と福島県いわき市で行なわれており、挑戦者の藤井聡太が竜王豊島将之になんと3連勝しました。
 総選挙の結果はどうだったのでしょう?敗北したのは立憲民主と共産です。特に立憲は比例で議席を大幅に減らす惨敗でした。勝ったのは維新で、議席を3倍に増やしました。公明や国民、れいわも議席を増やしました。自民党は議席を若干減らしましたが、単独過半数割れなどの下馬評は当たらず、単独絶対安定多数を維持しました。つまり勝利ですが、勝ちに不思議な勝ちあり、諸手を挙げては喜べません。甘利幹事長を始めいわゆる大物議員が続々と落選したからです。高齢議員を支えてきた高齢支援者が動けなくなったからというべきか、甘利幹事長のような脛に傷を持つブラック議員は流石に敬遠されたというべきか。やはり世代交代が必要という世論、政治家のスキャンダルにほとほと嫌気がさしたという世論が少しは反映したということでしょうか。戦後3番目に低い投票率で、棄権した国民が44%もいるという事実は「主権者がいない国」と言われても仕方のない状況で、選挙結果云々以前の問題であるとも言えるでしょう。国民の貧困化が進むと、昔は社会主義、共産主義思想が台頭しましたが、今は国粋主義、ナショナリズム、右翼思想が盛り上がるというトランプ現象が日本でも規模は小さいながら発生し、自民、維新が勝利したのでしょうか。相対的貧困は右翼を生むという潮流は今日的です。
 Z世代が世界の中枢を占めるようになれば、新しい風が吹くのかもしれませんが、今のところ気候変動の影響をもっとも強く受けるZ世代の受け皿となるような政党はありません。まだ何もしていませんが、あくの強い総理大臣が続いた後で久し振りに普通の人であるように見える岸田総理大臣が出現したことで、自民党が大敗を免れたとすれば、1年後の参院選でこそ第101代岸田総理の真価が問われ国民の意思がもっとはっきりするかもしれません。

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