民度

2021年01月18日 12:35

女性の自殺率80%上昇の衝撃

 新型コロナのパンデミックから1年、その脅威は未だに衰えていません。年間1万7千人以上と自殺者の数が世界でも突出して多い日本では、コロナによる生活困窮の中で、さらにその数が増えています。日本における今現在のコロナの死者数5000人など遠く及びません。女性と子どもの自殺が増えており、特に女性は80%も上昇しています。コロナ禍による失業やDV被害の影響が多いと考えられていますが、日本は女性や子供の社会的地位や権利が低すぎるという不都合な真実がコロナによってあぶり出されました。

 日本は、自分の感情や、本当の自分を見せることを抑圧する社会的同調圧力が高い国で、真っ先に「自助」が求められる社会です。追い詰められた時に助けを求めることを良しとしない「他人に迷惑をかけてはいけない」という社会。もちろん福祉国家ですから歳出は社会保障関係費がトップを占めてはいるし、制度もそれなりにあります。しかしコロナ禍の窮状にあって、命を守る最後の砦である生活保護を申請することもせずに、死を選んでしまう日本の現実は悲惨です。

 あまりに多い日本の自殺者数。先進国の中で子供の自己肯定感がずば抜けて低い日本。先進国の中で日本の遅れに遅れた女性の社会進出。50年前、大学の職業課に貼り出されている求人票が「男子のみ」になっているのを見て女である我が身に絶句した昔と、それほど変わっていない現状です。出産、そしてワンオペ育児を強いられ、やむなく仕事を辞め、パートやアルバイトで使い捨てられる有能な日本の女性たち。少子高齢化が急速に進む日本を救う唯一の道が女性活用であるのに、それをしない国日本。これは全て、国民の民度が低いからでしょう。江戸時代の農民として、為政者に「生かさぬよう殺さぬよう」に支配されてきた村社会の村民としての民度は高くても、自分から社会に働きかけて問題を解決して行こうという住民の自治を基本とする近代民主主義国家の国民としての民度は低すぎるのです。

 平成の失われた30年を経て、低賃金のため1人の収入では家計が推進できなくなりました。また正社員としての地位を守ろうという女性の意識変革もあり、出産しても働き続ける女性が多くなったのは事実です。すると今度は男女ともに非正規雇用という使い捨て労働者を増やし、コスパを上げる企業努力もせずに、労働者を簡単に解雇します。それに加えてコロナ禍です。仕事を失い自殺してしまう女性の数が80%も上昇したわけです。女性や子供、高齢者や非正規労働者など社会的弱者が守られる社会こそ、全ての人に優しい社会であるという、ノーマライゼーション社会の実現が必須であることもコロナが教えてくれるのです。

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