127 アラビア語・韓国語のタンは「田」の「たん」

2024年07月23日 13:03

ウラル・アルタイ語族という共通項

 ソロモンとシバの女王の「知恵問答」は有名だが、その内容はあきらかにされていない。当時のアラビア南部にあったシバ王国の女王はイスラエル王ソロモン(BC961〜BC922)を難問で試そうとたくさんの贈り物をラクダに負わせエルサレムに向かう。「ソロモンは女王の全ての質問に答えた。」そしてシバの女王は金120タラントおよびたくさんの香料や宝石などを王に贈った。ソロモン王も女王の望むものを全て贈った。シバの女王の質問の多くは「鉄に関するもの」ではなかったか。また彼女がソロモンに望み、国に持ち帰ったという代物は鉄器類ではなかったか。
 最近、シバの女王の話がテレビで取り上げられていた。イエメンの首都サヌアから車で4時間ほどの砂漠から、周囲1キロにわたる大神殿の跡が発掘されたというのであるのる。「女王を讃える歌」がイエメンの男たちの間でいまだに歌い継がれている。バラード風の歌に合わせて男たちが小刀を振り回し、勇ましい円舞を踊る。この刀をジャンビーヤというそうだ。耳を疑った。ジャンビーヤはそのまま古代韓国語である。ジャンは「小さい」、ビーヤは「刀」「切るもの」「切ること」のビーエにつながる。またシバも「鉄の場」を表す言葉である。
 ウラル・アルタイ語族という共通項があるとはいえ、中近東と極東の言葉の中でしばしば同音同義語にばったり出会うことがあるのには驚かされる。例えばパキスタン、アフガニスタンなどの「タン」は「地」を意味するそうだが、韓国語でも「地」はタン。このタンは日本語の田んぼの「田」に通じている。

記事一覧を見る