109 大国主命

2024年05月22日 11:03

大国主は天照に国土を献上し自らは引退した

 大国主命は大穴牟田遅(大穴持・大己貴)=オオナムチとも呼ばれた。大国と大穴は同義である。「おほな」のナは国を指す。「オホナムチ」とは「大国の澤王」の意で名前というよりは敬称である。オオナムチもオオヒルメ同様、稲と鉄を産む母なる澤を支配していた王だったのだ。
 名前に「照」表記のあるもう一人の女神、下照姫は大国主3番目の娘で天稚彦の妻。味耜高彦神の同母妹。又の名は高姫。高比売、稚国王(ワカクニタマ。)シタデル。シは鉄、タは地、デルは当てる、取り付ける、世話する。シタデルは需要者に鉄の産出地を斡旋する、又は鉄の出る地を探し当てる役割の女性であったようだ。下照は高句麗系の者、又は高句麗集団の象徴だったのか、ワククニタマは外国の王と解読される。「外から来た鉄斡旋王」「鉄の地探し王」のイメージである。
 シタデルの兄アジスキタカヒコネ。アジはアルチのことで、アルは「卵・砂鉄・砂金」、チは「王・貴人・男・男根」、スは「鉄」。キは「城」、タカは「高句麗」、ヒコネは「祈る者」。つまり「鉄城の鉄王、高句麗を祀る者」となる。アジスキタカヒコネとシタデルの母である「宗像三女神」のうちの一人、田心姫(たごりひめ)=多紀理毗売命も高句麗を象徴する神だったようだ。天照大神とともに司令神として登場する高皇彦霊神(タカミムスヒノミコト)も「高句麗の澤鉄刀の神」と解かれる。
 大国主命は素戔嗚の子、又は6世の孫ともされ、出雲大社の祭神。少彦名神(スクナビコナノカミ)とともに、中つ国の経営を行っていたが、天照大神の使者が来ると、国土を献上して自らは引退した。

記事一覧を見る