105 アマテラスの弟スサノヲはソソノの子沸流(ピリュ)である

2024年05月20日 15:35

高句麗の始祖チュモンの再婚相手ソソノの連れ子ピリュがスサノヲである

 『日本書紀』や『古事記』に登場する神々の中で、もっとも個性的な存在はスサノヲであろう。スサノヲとは何を表す名前なのか。
 高句麗の始祖は朱蒙(チュモン)東明聖王。無名時代の青年チュモンは卒本扶餘の女性権力者召西奴(ソソノ)と結婚。ソソノとチュモンは高句麗を建国しチュモンを国王とする。ところが即位後チュモンは先妻の子儒理を早々に後継者にする。ソソノと前夫との子ピリュと二男温祚(オンジョ)はこれに強く反発、母と共に現在のソウルに南下、新しい国を建国した。この時長男沸流(ピリュ)は海辺を望み、弥鄒忽=ミチュホル(現在の仁川)に移り住んだ。しかしピリュは製鉄に欠かせない木を求めて日本に進出、その国を瑞穂(みずほ)と名づけたという。オンジョはソウルを中心に百済を建国した。ソソノは「砂鉄野」を意味する名前だ。世界に女王多しといえども二つの大国を創建した女性はソソノだけである。スサノヲは日本で偉大な母の名前を踏襲してピリュからスサノヲに改名したのだ。『古事記』の須佐之男は「ソソノの息子」または「砂鉄野の男」という意味である。
 スサノヲはイザナギの息子で、アマテラス、ツクヨミとともに「三貴子」と呼ばれている。スサノヲはこの中でももっとも聞き分けのない神様で、死んだ母親に会いたいと泣き喚いてばかり。あごひげが胸に届くほどの歳になっても、相変わらずの号泣ぶり。『日本書紀』の記述からも母ソソノへのスサノヲの愛着の深さが窺える。のちに八俣大蛇を退治して一躍英雄となるスサノヲ。その製鉄のノウハウを婿のオオクニヌシに伝えることになる。

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