75 あしひきの

2024年04月18日 08:35

聖武生涯の愛人は21歳年上の元正B

 万葉集で一番多い枕詞は「あしひきの」。アシ(高貴な女性)ビキ(殺害または女性用長枕)。つまり「高貴な女性殺し」を意味する言葉である。高貴な女性とは誰か。それは持統である。
 文武との不倫を咎める歌が柿本人丸を先頭にたくさん読まれた。しかし、702年持統は死去。その後の歌にも「あしひきの」は使われている。持統ではない高貴な女性で批難されるべきは誰?げんしょうB天皇である。元明天皇(藤原不比等の同母姉)と不比等の間に生まれた娘。叔母である阿於皇女=元正A、実は21歳も年下の聖武天皇(不比等の孫)と68歳で亡くなるまで不倫を続けていた。聖武の側近だった大伴家持が「あしひきの」と読みたくもなる高貴な女性である。
 聖武は不比等の三女宮子と柿本人麻呂のとの不倫の子。当時の公然の秘密だったよ宮子は聖武を産んだ後うつ病となり、聖武が30代半ばを超えるまで会うことはなかった。「母恋し」の思いが、母宮子のいとこである元正Bへの思慕の情を聖武に抱かせたものだろうか。当時の宮廷で、モミッチ(古代韓国語で足りないの意、日本語紅葉の語源)の大合唱の中、劣等感の塊だった聖武にとって元正Bだけが母代わりだったのだろう。そして聖武天皇が処刑された父人麻呂に捧げたビッグモニュメントが東大寺の大仏だったと言える。

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